会社勤めの方は今ごろ年末調整の時期である。
特にあまり気にも留めず、
ただ必要事項を記入し保険料控除証明書を貼付して
提出しているだけの人も多いと思うが、
これが徴収される所得税(住民税含む)の金額に反映されるわけだから、
何がどういう仕組みになっているかは
把握しておいた方が良い。
知らないうちに税制が改正され、
所得税が多く取られるようになったり、
新たな優遇税制が登場したりしていることもあるので、
知らないうちに国に税金を搾取されることのないようにしたい。
今回のワタシの場合、
昨年と変更になった(自分で認識している範囲において)点は
以下の3つだ。
1.基礎控除と給与所得控除の兼ね合い、
実は、今年から基礎控除が昨年の38万円→48万円に増額されている。
おっこれは!
給与所得から10万円も減額される金額増えるわけで、
これにより、
10万円×税率(ワタシの場合20%)分の所得税が減額されるわけだから、
ワタシの場合年間2万円も税金が減るのはうれしい!
と思ったのもつかの間、
実はカラクリがあって、
基礎控除が10万円増額された分、
給与収入から差し引いて給与所得を算出する給与所得控除額が
10万円分が減額されているのだ。
つまり
「給与所得=給与収入ー①給与所得控除ー②基礎控除を含む各種控除②」
となる計算式で、
①の控除額が10万円減額され、
②の控除額で10万円増額されるので、
要は±0円で何も変わらないというのが結論になるらしい。
なんだかなぁ、飛んだぬか喜びかよ・・・。
2.上の子が16歳になり扶養控除38万円が適用
来年、令和3年の話である。
令和3年12月31日までの間に16歳以上の扶養親族がいる場合は、
38万円の扶養控除が適用となる。
この条件だと、ワガ家の上の子が該当することになる。
あれ?
これまでも16歳未満の扶養親族として、
上の子と下の子の2人分が年末調整の申告書類に記載されていたので、
今現在すでに扶養控除が適用されているのでは??と思うのだが・・・。
実はこれ、
平成22年の税制改正により、
16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象外となっており、
名ばかり扶養親族でしかなかったのだ。
16歳未満の扶養親族はその分、
恩恵を児童手当に振り替えたことにしている。
知らなかった該当者は搾取されていたわけだ。
というわけでワガ家は、
来年からようやく上の子の38万円の扶養控除ができようになる。
38万円の控除はかなり大きい。
38万円 × 税率(ワタシの場合は20%)分の所得税が減額される想定だ。
よって、ワタシの場合は年間7万8千円分の所得税が減額される。
生命保険料控除が
満額4万円×20%で8千円分しか所得税が減額されないのと比較すると、
約10倍だ。
生命保険料控除は、
生命保険会社から控除証明書が届くのを待って、
何社か分を申告書に貼り付けて提出する。
年末調整のメインイベントのような
手間のかかる手続きではあるが実は控除額からすると、
ただ名前を書くだけの基礎控除や扶養控除の規模の10分の1なのである。
ちなみに16歳以上の扶養控除額も年齢等によって控除額がさまざまである。
年齢 対象者区分 所得税控除額
16-18歳 一般の控除対象扶養親族 38万円
19-22歳 特定扶養親族 63万円
23-69歳 一般の控除対象扶養親族 38万円
70歳以上 老人扶養親族(同居老親等) 58万円
70歳以上 老人扶養親族(その他) 48万円
また、扶養控除は所得税に留まらず、
住民税も減額される。
住民税の場合の扶養控除額は38万円ではなく33万円になるので、
33万円 × 税率(ワタシの場合は10%)の住民税が減額される想定だ。
よって、ワタシの場合は年間3万3千円分の住民税が減額される。
3.Idecoの掛金額が所得控除となる。
今年7月から始めたideco!
毎月の掛け金1万2千円の7~11月(今年引落し)の6か月分の6万円が、
小規模企業共済等掛金控除で所得税控除される。
6万円 × 税率(ワタシの場合20%)なの所得税が減額される想定だ。
よって、ワタシの場合は年間1万2千円分の所得税が減額される。
※来年以降は満額14万4千円の掛け金になるため、
年間で2万8.8千円分の所得税が減額されることになる。
住民税も減額される。
6万円 × 税率(ワタシの場合は10%)の住民税が減額される想定だ。
よって、ワタシの場合は年間6千円分の住民税が減額される。
Idecoの場合は運用益を期待して加入する投資商品であるから、
副産物的にこの所得税や住民税が減額になるのはありがたい。
※ただし60歳になって掛金を引き出す際に、
退職所得や雑所得として税金徴収されるので注意したい。
以上、自己分析の範囲であるが、
ワタシの場合、今回の年末調整により、
1.基礎控除と給与所得控除の兼ね合い、
では±0円で所得税額も住民税額も変わらないが、
2.上の子が16歳になり扶養控除38万円が適用
では、所得税額が7万6千円、住民税額が6万6千円が減額
3.Idecoの掛金額が所得控除となる。
では、所得税額が1万2千円、住民税額が6千円が減額される公算である。