ワガ家の話である。
ワガ家は育ち盛りの子ども2人を抱えながら、
17年ほど前に東京で働くようになって以来、
一貫して社宅生活を送っている。
昨年4月に上の息子が、
地方の私立高校で寮生活を送るようになって、
少しは手広く社宅内を使えるようになったが、
それまでは4人で住むにはかなり手狭の空間であった。
ワガ家でも一度、
社宅を飛び出して、
戸建てやマンションを購入することを検討したこともあったが、
昨年4月に息子が家を出て行って、
いま思うに、
結果的には社宅のままで良かった。
下の娘も高校生になったら、
兄と同じように家を出て寮生活をすると言っている。
そう、
子どもはいずれ出ていくわけだから、
家が手狭である時期は長い人生の中でほんのわずか、
そのほんのわずかな時期に、
業を煮やしてローンを組んで戸建てやマンションを購入しても、
子どもはとっとと出て行き、
その後は住宅ローンと、
ほとんど使われなくなった部屋が残るのみ。
だから子供が出ていくまでは、
この手狭で安くて汚い社宅に我慢して住み続けよう。
そんなワガ家は、
例えば子供部屋はないが、
居間が食卓になったり、
子どもの勉強部屋になったり、
ワタシの職場になったりと、
一石三鳥の役割を担っている。
子供部屋があったとしても、
学校へ行っている時間はその子供部屋は活用されていないし、
寝室があっても日中は活用されていない、
それぞれの部屋の用途が1つに絞られるだけでは、
部屋の活用効率がかなり悪いので、
ひとつの部屋を、
一石二鳥や一石三鳥くらいの用途で使えば、
それほど多くの部屋数やスペースも必要なくなる。
子どもが巣立っていき、
夫婦二人で生活するようになったら、
狭すぎず広すぎずの住宅の購入を検討することにしよう。