ワタシが東京で働くようになったのは2004年で、
もう17年も前である。
その時から比べたら、
職場の劣悪な環境というものは随分と解消された。
最初に衝撃を受けたのは、
定時を過ぎても誰ひとり帰らないこと。
雑然としていて忙しそうにしているのであれば、
「みんな忙しくて帰れないんだな」
と思うが、
そんな雰囲気もなく、
周りは静まり返った状況で、
定時のチャイムがなっても誰一人帰ろうとしない。
「なんで帰らないのかな?」
と思ったが、
そう、
上司が帰らないから、
皆帰らない、
20時くらいにようやく上司が帰ると、
皆ぞろぞろと帰り始めるのだ。
隣のシマではどんな仕事をしているかはわからない。
どんなにお隣が忙しそうにしていても決して手伝うことはない。
朝出社したら、
徹夜明けで、
イスを並べて寝ている先輩社員がいたり、
そんな社員はすごい、
徹夜はえらい、
そんな雰囲気さえあった。
そして17年後、
いまやそんな状態で働いていたら、
逆に、
できない社員のレッテルを張られるだけで、
本当に良い時代になったなと思う。
でもまだまだ改善すべき点はある。
若手の一般社員にとっては良い環境になったと思う。
問題は管理者である。
部下に良い職場環境を提供しなければならない代わりに、
管理者がその分の負担を補っている。
ワタシの上司の話であるが、
皆を在宅勤務にする代わりに、
ワタシの上司はこのコロナ禍でも毎日出社を余儀なくされている。
休日にトラブルがあったら、
管理者が率先して対応し、
残った仕事は持ち帰り、
変な時間に業務履歴が残らないようにしながら、
時間外に仕事をする。
もちろん残業なんて付けない。
年次休暇は取らない。
自分が休み前に部下を休ませる。
そんな状況である。
管理者だから当然、
管理者だから大丈夫、
管理者だから死なない、
管理者だから死んでもいい、
そんなことはないはずだ。
この本↓↓に過酷な職場環境を皮肉った
「現代版 雨ニモマケズ」がやけに的を得ていたので紹介したい。
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(現代版 雨ニモマケズ)
雨にもまけず、風にもまけず
徹夜にも上司の無理難題にもまけず
丈夫なからだをもち
文句はなく 決して愚痴らず
いつも静かに黙っている
1日にコンビニ弁当と
水を少しの時間で食べ
あらゆるときも
残業を労働時間に入れずに
よく言うことを聞き
そして休まず
都会のビルノ林の中
小さな部署の隅のですくにいて
東にミスをした後輩あれば
行ってカバーしてやり
西に疲れた上司があれば
行ってその仕事を代わりにやり
南に死にそうな人あれば
みんなも頑張っているんだと言い
北に部下からの訴えがあれば
お前の立場が悪くなるだけだと言い
日照りの外回りの時は汗を流し
寒い日も取引先に入る前にコートを脱ぎ
みんなに給料泥棒と呼ばれ
ほめられもせず 気にもされず
そういうものに
わたしはなりたい
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現在の職場は随分と改善されたが、
17年前はまさにこんな感じでした。
あとは管理者です。
管理者の環境が改善されなければ、
誰も管理者になりたいとは思わないでしょう。